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第6回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

実力派の作品がそろった「第6回 メテオ・ポラリス彗星賞」!

新しい賞を新設するほどの波乱をみせた、ドキドキの選考結果はこちら!

第6回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

大賞 賞金100万円+連載デビュー確約

該当作なし

準大賞 賞金50万円+デビュー確約

該当作なし

佳作 賞金30万円+掲載確約

NO! NO! NO!

らり

あらすじ

とある土曜の朝、兄ヶ崎圭太が目覚めると、母親がおらず、代わりに見知らぬ女の子が……。なんと、いつの間にか母親が再婚しており、女の子は再婚相手の連れ子だという。母親たちが新婚旅行から帰ってくるまでの間、妹となった“のの”の世話をすることになった圭太だったが……。

寸評

とにかくキャラクターが可愛く、そしてほっこり癒される作品でした。ただ、「ある日突然妹ができる」という設定に、目新しさがなく、最後まで安心して読める反面、この作品を読みたいと感じさせるつかみが弱いのが惜しかったです。「ある日突然妹ができる」という設定に、さらに別の要素を加えるだけでも、読者の印象は違ってきます。作画技術は高いので、次は、多くの作品の中から「この作品は面白そうだから読んでみよう」と読者に思ってもらえる要素を入れることを意識してみてください。

全霊SYMMETRY

鶴亀

あらすじ

霊を「視る力」のせいで、幼い頃から嫌な思いをしてきた栗花落 雫(つゆり しずく)は、進学した高校で無自覚に「祓う力」を持つ、御手洗(みたらい)と出会う。彼を幽霊除けにしながら一緒に行動していると、ふたりの噂を聞きつけた、どう見てもヤ●ザな人に目をつけられ、幽霊屋敷の掃除をすることになって――!?

寸評

抜群に高い画力、突き抜けたギャグ、全体を通して完成度の高い作品でした。めくりや見開きを使った「魅せるコマ」の演出も上手です。ただ、物語の主ではない部分のインパクトに重点がおかれており、読み終えた後に「どんなお話だったか」という印象が薄くなってしまったのが残念です。情報量が増えるページは、伝えるべき部分を見極め、セリフやコマを取捨選択していきましょう。そうすることで、読者は世界観や設定を理解しやすくなり、より物語にのめり込むことができます。今後に期待しています!

また逢えたなら

モリ マイコ

あらすじ

『旧校舎には女生徒の幽霊が出る』そんな噂が広がるある夜、眠る成宮(なるみや)の枕元に、不気味な影が現れて……?逢いたい気持ちにはワケがある。ボーイミーツユーレイ?ストーリー!

寸評

ホラーを予想させる冒頭から、一転、意外な方向へ進むストーリーに惹きこまれました。予想外な展開を見せる作品は、その後が肩透かしで終わってしまうこともあるのですが、この作品は、キャラクターのもつ素直さや可愛らしさが発揮されていて、冒頭で抱いた期待と展開が違っても楽しく読むことができました。特に「幽霊」として登場する柚子のキャラクターが良く、くるくる変わる表情は読み手を飽きさせない魅力がありました。この女子キャラの魅力を武器に、次作ではより一層、読者を楽しませる作品を期待しています。

メテオ賞 賞金15万円+掲載確約

アナザーアカウント

蒼井たまご

あらすじ

有田設楽(ありた しだら)は不登校気味の男子高校生。幼なじみの愛子に心配されつつも、素直になることができずにうだつのあがらないひきこもり生活を続けていた。しかしある時、まるでネットゲームの別アカウントのように、「もうひとりの自分」にログインできるようになって……?

寸評

「もし人生に別アカウントがあったら」という設定が面白く、またそこから繋がるオチが良い意味で予想外でした。一方で、特に時系列面で難解なところがあり、読者に何度も読み返しを強いるような構成になっている点は、編集部でも評価が分かれました。ただそれ以上に難しいテーマに向き合ったこと、自分なりの作品を作っていこうという作者の意気込みを鑑みて、新設の「メテオ賞」受賞ということになりました。指摘された構成面だけでなく、魅せる大ゴマや見開き絵、キャラクター造形の研究など、より読者を意識した作品作りに臨めば、今後さらなる高みが目指せるはずです。

奨励賞 賞金5万円+特製原稿用紙

一条くんの裏事情

樹ソウマ

一条くんの裏事情

寸評

実は人見知りで泣き虫な残念イケメン男子と、彼に懐かれてしまった女の子とのやりとりがコミカルに楽しく描けていました。特に男の子のデフォルメキャラがかわいらしく、勢いのあるギャグシーンも描けています。一方、笑えるシーン同士の間隔が広く、少し間延びしてしまう印象がありました。また、全体的にトーンの主張が強く、見づらくなってしまっています。コメディのセンスはあるので、次回作ではテンポと、メリハリのある画面作りを意識してみてください。そうすることでさらに上位の賞が見えてきます。

ユーレイと猫

壱谷セン

ユーレイと猫

寸評

全体的な作画の丁寧さや線の美しさが光る作品でした。ストーリーも、「誰がユーレイなのか?」をミスリードさせるように考えて作っていたのは好印象でした。ただ、絵柄とストーリー共に『誰に読んでほしいのか』という対象読者像が明確に伝わってこず、評価が分かれる結果となりました。商業誌を目指す上では、自分が届けたい読者は「誰」なのかを考えることは重要です。そこへ向けた絵柄・作品作りをできるかどうかが、今後のデビューまでの課題と考えます。

期待賞 賞金1万円+特製原稿用紙

キミの未練は?

村山容

キミの未練は?
プリンちゃん

藤松盟

プリンちゃん
ツーマンセル

おにお

ツーマンセル

審査員特別賞 賞金10万円

NO! NO! NO!

らり

NO! NO! NO!

吉永裕ノ介先生の寸評

今回6作品読ませていただきましたが、きちんと読者に向けて作ってる作品が多くて感嘆しました。

「全霊SYMMETRY」はインパクトが強力。 「アナザーアカウント」は奇抜な設定。 「一条君の裏事情」は導入部分が入りやすい。 「また逢えたなら」は不思議な展開。

それぞれ作風が違い、なおかつ魅力に溢れ、作品の力が拮抗していたので、「審査員賞を3つぐらい出してはだめ?」………などという無茶苦茶を編集部にのたまうほど選考は悩みました。

丸一日悩んだ末、審査員賞は「NO!NO!NO!」に決めさせていただきました。 とにかく兄妹の表情が可愛くて、序盤のキャラクターのつかみが上手かったです。 それでいて兄妹が可愛いだけの漫画ではなく、途中からは承認を求めて争う構図になっていたのも興味深かったですね。

総評っぽくなってしまいましたが、1~3年後にはバリバリ活躍してそうな方々の作品に触れさせてもらい感謝しております。 皆さんの次回作をいちファンとして楽しみにしております。

総評

第6回の「メテオ・ポラリス彗星賞」は、個性豊かな作品が集った回になりました。

大賞、準大賞の作品は惜しくも出ませんでしたが、審査員の吉永裕ノ介先生も評価し、佳作と審査員賞のW受賞を果たした「NO! NO! NO!」の、らりさんを始めとした佳作が3作品。

さらに、編集部内で評価が分かれた作品でもありましたが、「COMICメテオ」が、ぜひ皆さんに読んでいただきたいと思った、 「アナザーアカウント」の蒼井たまごさんの将来を期待し、急きょ「メテオ賞」を新設。 奨励賞や期待賞も将来が楽しみな作家さんばかりでした。

さて、投稿された作品で全体的に素晴らしかったのは『特徴』を持っている作品が多かったことです。 それはキャラクターであったり、ストーリであったり、設定であったりと作品によってさまざまでしたが、どれもバリエーションに富んでいて、編集部一同、楽しく読ませていただきました。

今回、受賞した作品は、全体的な総合力のところで拙いところも見受けられますが、画力、ストーリーの構成力、仕上げの丁寧さなど、漫画としての完成度が高いものばかりです。

どの作品も自分だけしか描けない個性が突出した作品で、とても好感が持てました。 ぜひ公開作品を読んで、感想などを送っていただけると嬉しいです。

逆に受賞に至らなかった作品は、自分のやりたいことを優先しすぎ、読者を置き去りにしている作品が多かったように思います。

自分が楽しむためだけではなく、読者にも楽しんでもらうためには『読んでもらうための工夫や演出』を作品に取り入れてみましょう。 例えば、ストーリーで重要なところは、コマやフキダシを大きくする。 世界観の説明が説明口調にならないように、キャラクター同士の会話に取り入れる。 めくりや、見開きページを使ってシーンを印象づけるなどやり方はいろいろあります。 自分に合ったやり方を見つけ、作品作りに挑みましょう!

次回の新人賞の締め切りは2016年2月末を予定しております。 本気でプロ漫画家デビューを目指す、才能あふれる皆さんの作品を心よりお待ちしています。