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第10回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

物語・画力ともにクオリティが高く、
勢いのある作品がそろった「第10回 メテオ・ポラリス彗星賞」!!

今回は佳作1作品、メテオ賞2作品を選出!!
フレッシュな魅力が詰まった作品をぜひチェックしてみてくださいね★

第10回 メテオ・ポラリス彗星賞結果発表!

大賞 賞金100万円+連載デビュー確約

該当作なし

準大賞 賞金50万円+デビュー確約

該当作なし

佳作 賞金30万円+掲載確約

烈風の海

巽 一文字

あらすじ

海獣捕り――それは、人型機械を駆使し巨大な“海獣ガガゼオ”を“捕る”仕事である。だが、化学プラントにより海獣の数は減少し“海獣捕り”の仕事は消えつつあった。“海獣捕り”を営む家に生まれた剛志は変わりゆく環境に翻弄され未来を見出せずにいたが、ある日、海で異変が巻き起ころうとし……!

寸評

確かな画力と骨太な世界観が合わさった非常に読み応えのある素晴らしい作品でした。序盤の無骨で荒々しい人型機械がグロテスクでおどろおどろしい海獣に銛を突き立てる場面は勢いもあって非常に迫力を感じます。かと思えば、捕獲した海獣を捌く描写、料理を食べる描写なども細かく描かれていて作者のこだわりを感じられるのも素晴らしかったと思います。ただ、物語が途中で終わっていた点は残念です。序盤のインパクトが強く期待感が高まっていたので、クライマックスまで描ききっていれば評価はより高くなっていました。非常に可能性を感じる作品ですので、結末まで描きより良い作品になることを期待したいです。

メテオ賞 賞金15万円+掲載確約

×××コンプレックス

安音十なつ

あらすじ

「私の御ぱんつ愛は世界一だからね!!!!」転校初日、ドキドキしながら門をくぐる主人公。「私立女子高はやっぱりレベル高いなー」なんて思っていたが……この学校何かおかしい。この美少女、人の下着を盗っているーー!?
ちょっぴり訳あり女子たちの、どたばた収集スクールコメディ!

寸評

勢いのある演出、みずみずしい線、そして個性豊かなキャラクター。作者の熱意や好きなものが伝わってくる、非常にフレッシュな作品です。見せ場となるシーンを見開きで描いているのも、ダイナミックでのびのびとした印象があり良かったです。今後の課題は、物語の軸を一本しっかり持つこと。現状はインパクトで押し切り、読者が物語に置いていかれてしまう印象も見受けられます。次回作では「主人公が何をする物語なのか」という部分を読者が読み取りやすくなるような構成を心掛けていただきたいです。次回作も楽しみにしています!

世界征服同好会

へのえの

あらすじ

何でもない日常はその一言で突然変わる――
いつもの部室、いつもの先輩。世界が変わる事なんてありえない。そんな日常を送っていた旧多 要は、先輩からの一言がきっかけで、世界を守るため『世界征服』をすることに!
文芸部の先輩、秘密組織の娘、侵略兵器の幼馴染から世界を守れ!?
青春から始まる世界征服コメデイ!!!

寸評

『世界を守るために世界征服』というコンセプトと、演出をはじめとした作品の魅せ方が素晴らしかったです。話運びのテンポや世界観、そして個性的なキャラクターの活かし方も高評価。
しかし、テンポが良かった分、キャラクターの性格や思考、作品設定など、読者に理解してもらうための情報が分かりにくくなっています。情報が伝わらないと突拍子な展開にも見えてしまうので、テンポを大事にしつつ、読者を意識した作品作りを今以上に心がけるとさらに良くなるでしょう。今後、大注目の受賞者です!

奨励賞 賞金5万円+4P掲載(お試し読み)+特製原稿用紙

花園にサキュバス

子羊ノニク

花園にサキュバス

寸評

女の子が可愛く、最後まで読みやすく、今回の応募作の中でも画面クオリティはトップクラスだと感じました。ただ、「上手い=その作品が面白い」ではないのが漫画です。心を掴む何かがないと、読者はついてきてくれません。キャラやテーマ、物語、ギャグのセンス、コマ割りや構図……様々ありますが、まずはどれが自分の武器かを見極め、磨いてみてください。画力は高いので、次回作を楽しみにしています。

夢の手枕

永田雫

夢の手枕

寸評

冒頭ページの緻密な描き込みが美しく、ゆったりとした台詞やモノローグが心地よい作品です。主人公の「自分が置かれている立場への葛藤」など、キャラクターの感情をしっかり描いており、作品に入り込んで読むことができます。今後の課題は、作品全体で作画のクオリティを一定にすること。冒頭やラストと比べ中盤は描き込みが少なく、物足りなく感じるページがありました。ベースの画力はとても高いので、ページごとに差が出ないように意識できると、より作品の完成度があがります。次回作も楽しみにしています。

岬のヒウリ

ころりよ

岬のヒウリ

寸評

作者自身の感性が光る作品でした。見開きでの背景など、描きたいものが伝わってくる画面づくりはとても良かったです。優しいタッチの絵柄にもあっています。一方で、主人公の目的がわかりにくい内容になってしまったと思いました。登場人物全てに焦点を合わせたい気持ちは分かりますが、もう少しだけ内容を絞ったストーリー作りができれば、とても読みやすい話になったと思います。魚の擬人化の2人組と民宿を経営する家族のふれあいなどもっと読んでみたいと思いました。自分の好きなものは表現しつつ、次回作は読み手を意識した物語づくりを心がけてみてください。

トアメームコルチカム

こたあむ

トアメームコルチカム

寸評

キャラクターがとても可愛く印象に残りました。特に扉ページで描かれたヒロインは表情も素晴らしく、一気に作品へ惹きこまれました。確かな画力を感じる一方で構図やコマ割り・背景など読みづらい部分も多かったのが気になります。漫画の画面作りにまだ慣れていないように見受けられますので様々なジャンル・キャラクターに挑戦し次作ではより一層、読者を惹きこませる作品となることを期待します。

とらまるくんのえいようごはん

水谷るり

とらまるくんのえいようごはん

寸評

「パスタを電子レンジで茹でる」等、手軽で豪快な料理の手順が面白く、読者が実際に真似できるような分かりやすい描写がとても素敵な作品です。また、簡単な料理手順だけでなく、栄養学にも触れており、「楽しく学べる」という一面があるのも良かったです。今後の課題は、読者ターゲットを定めて、より魅力的なキャラクターを作ること。現在も愛嬌のあるキャラクターは描けていますが、キャラクター単体で見た時の魅力は少々弱く感じます。この作品を読む読者を想像し、どんなキャラクターであれば、より興味を持ってもらえるか。そこを考えることができると、読者をさらに作品に引き込むことができるようになります。次回作も楽しみにしています!

期待賞 賞金1万円+特製原稿用紙

影永真人の恋事情。

日枝出

影永真人の恋事情。
私(ワタシ)の友達は

しーめ

私(ワタシ)の友達
明香は下着が大嫌いです

伊東柚汰

明香は下着が嫌いです

審査員特別賞 賞金10万円

岬のヒウリ

ころりよ

岬のヒウリ

三星めがね先生の寸評

とても可愛らしいお話で、最後まで楽しくページをめくることができました!
リュウグウノツカイのヒウリやハナミノカサゴのサイといったキャラクターたちが生き生きと描かれていたとともに、印象的な一枚絵や大ゴマなど、見せる画面づくりのうまさも独特の世界観を作ることに大いに貢献していたと思います。

惜しかったのは、物語が動き始めるまでに少し時間がかかってしまったことでしょうか。ページが限られているとはいえ、もう少し早めにイベントが起きていれば、読者をより作品に引き込むことができたように思えます。
ラストに向けての展開も同様で、人によってはやや物足りなさを感じてしまうかもしれません。まるで絵本のような、穏やかでゆったりとしたテンポ感は個人的には好みではあるのですが、テーマ、あるいはイベントで、読者に寄り添った何かがあると物語のハードルはぐっと下がるのではないでしょうか。

とはいえ、今後いろいろな冒険がキャラクターたちを待っているんだろうなという想像の余地、いわば物語の余韻が残されているところは何物にも代えがたい魅力です。今後も、作者の世界観を大切にした素敵な作品を楽しみにしています。

総評

この度は「第10回メテオ・ポラリス彗星賞」に作品をご応募いただきありがとうございました。

今回は「自分の好きなものを全力で表現する」という熱意や意気込みが感じられる作品が多く、佳作とメテオ賞に加え、奨励賞も4ページ、漫画を公開する運びとなりました。魅力が詰まったフレッシュな作品たち、編集部一同、非常に楽しく読ませていただきました。

その中でもひときわ輝いていたのは、佳作を受賞された「烈風の海」巽 一文字さん、メテオ賞を受賞された「×××コンプレックス」安音十なつさん、「世界征服同好会」へのえのさん、そして審査員特別賞と奨励賞をW受賞した「岬のヒウリ」ころりよさんの4作品です。

この4作品にはそれぞれ、物語やキャラクターなど、作者が自ら好きなものを全力で表現しようとする姿勢がありつつも、読者を意識した「見せ場となるシーン」がしっかりと用意されているため、独りよがりな作品にならず、エンターテインメントとして非常にクオリティの高い作品でした。また、4作品とも魅力的かつ特徴的な絵柄で、原稿をぱっと見た段階で、すでに圧倒的な存在感を放っていました。皆さんの今後の活躍がとても楽しみです。

逆に受賞に至らなかった作品は、ストーリーであれ、画力であれ、「面白そう!」と読者が何かしら気になる要素が足りない印象を受けました。

昨今、漫画作品の数は増えています。Webコミック市場が定番化したことで、読者は沢山の作品にいつでも気軽に出会えるようになりましたし、新人漫画家の皆さんも自分の作品を発表する場が増えたように感じます。しかし、漫画作品の数が増えるということは同時に「沢山の作品の中から自分の作品に興味を持ってもらわなければならない」ということでもあります。そのためには読者が「この作品面白そう!」と思う、興味をひく「フックとなる要素」が、より重要になってきます。それはタイトルでも絵柄でもいいですし、キャラクター、その関係性でもかまいません。「読者に興味を持ってもらうポイントはどこなのか」という点を意識しつつ、作品作りに挑みましょう。

次回の新人賞は、大幅リニューアルを予定しております。じっくり作品を作りたい方向けのものから、スピード感重視のものなど、さまざまな種類の新人賞を企画中です。本気でプロの漫画家を目指す皆さんの作品を、編集部一同、心よりお待ちしております。